さとるくん

さとるくんに言われて気づいたことがある。ずっと引きずってるけど、自分の気持ちに嘘ついてない?って言われた。

私は最初からまこちのことなんて好きじゃなかったのかもしれない。それでも相手が自分を好きでいてくれるから、罪悪感というか、責任感というか、それによってまこちのことを好きでいなきゃいけないと自分に言い聞かせていたのかもしれない。

 

完全にまこちの支配下に置かれていたし、自分が本当は好きでないことが露呈するのを怖がっていた。いつもゲーセンで取ってくれたぬいぐるみ、本当は欲しくないなんて1度も言えなかった。楽しくなかったのに、楽しいんだと自分を縛り付けていたんだと思う。

 

次第にエスカレートしていく電話、時間的拘束。言葉のDVみたいなもの。私は耐えられなかったんだと思う。だから、丁度喧嘩したタイミングでもう終わりにしたかったんだと思う。喧嘩して、他の人を好きになってしまうくらい、まこちのことはもう好きではなかった。というか最初から好きじゃなかったのかな。

 

付き合う前、喫茶店で話を聞いて、本当に大丈夫?と言われた時、心の中では、やばい、逃げなきゃ。この人とは付き合っちゃいけない、一緒にいちゃいけない。と思ったのに、そう言う気にもなれなくて大丈夫だよと言ってしまった。その罪悪感が付き合っている間も私を縛っていた。相手の顔を伺って、怒られないように、相手の期待に応えなきゃいけないという義務感で頭がいっぱいで、常に頭はフル回転、そりゃあ疲れるよね。とにかく怒られるのが怖かった。

 

上野や一緒に行った場所に行きたくないのも、あの時の恐怖感や束縛感を思い出したくないからだと思う。幸せだった時間を思い出すのが辛いなんて嘘なのかもしれない。今更自分の気持ちなんてわからなくなっちゃったんだけどね。尊重しなさすぎたかな。